The result of revenge [ディアラバ]
第13章 It is filled~満たされる~
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それから私とレイジさんは、一旦カールハインツの城へと戻る為に歩みを進めていた。
同じ道を通っているのに、さっきとは全く違う気持ちを抱えながら歩く
それはとても心地が良く、月蝕の影響で感じていた高揚とは違う何かだった...
前を歩くレイジさんの後ろ姿。
見慣れている筈なのに、大きく広く、今すぐにでも抱き締めたくなる
もっと、もっとと欲が溢れ出る
きっとここで甘えたら、レイジさん怒るんだろうな...
なんて、くだらない事を思っていた。
「もう着いちゃった」
私がふと口にした言葉に、レイジさんは
「おや、まだ私の後ろ姿に見とれていたいのですか?」
「え?!いや...」
「図星、ですか。もっと貴女をしっかりと躾なければなりませんね...そう、私につり合うような淑女へと...」
私の方へと振り返りながら、レイジさんは眼鏡を押し上げ、嘲笑うかの様な表情を見せた
まるで、これから私を改めて調教し直すのを楽しみにしている様で、少し背筋がゾクッとした。
「...レイジさん、少し怖いです。」
「今更ですか?貴女は私のどこを見てきたのでしょうね?さぁ、もう中へ入りなさい。今夜はこちらで一泊しますよ...」
そう言って、城の扉に軽く手を添えたと同時に大きな音を立てて開いた扉
『ほら、早くしなさい』と言って、私を急かすように二人で中へと入って行った...
そのまま、さっきいた部屋に戻ると、緊張の糸がほつれたのか、今すぐにでも眠りたいとベッドへと腰掛けた。
レイジさんは、私のそんな姿を見て溜息をつき、何か言いたそうにこちらを見ている
「あの...私何か呆れられてませんか?」
恐る恐る聞いてみる。
「...いえ、本来の私であれば、そういう態度でいる女性は全くもって興味が湧かない筈なのですが、何故でしょうね、貴女からは目が離せない。」
私はレイジさんの言ってる意味が少し分からず、首を傾げた
「ですから、こうして私自身が掻き乱されている事に溜息をついたのですよ!」
「そうだったんですね...私、なんか少し嬉しい...です」
「...全く、貴女もそうですが、月蝕とやらも大概迷惑ですね...本当に調子が狂います。」