The result of revenge [ディアラバ]
第12章 What we want to protect~守りたいもの
「それに、アイツ...逆巻の次男、レイジだっけ?アイツも俺たちと同じ様な想いをしっかり抱いてるんじゃないのかな?そんな、気がするのはオレだけが感じてるんじゃないよね?」
「あぁ。分かっている...。しかし我々が、大切なユウラを、あの忌々しいヴァンパイア共にこうもあっさりと受け渡すとはな.....」
「なんだよそれ、拍子抜けするほど変わっちゃったね、兄さん...」
そんな話をしている間に、ユウラと逆巻レイジは立ち上がり、カールハインツの居城の方へと歩き出した
オレはどうかアイツが幸せな時を少しでも過ごせればと、ユウラの背中を見つめながら強く思った。
その後、オレと兄さんはその場を後にした...
これから始祖がどうなっていくのか、全く予想も出来ない。ただ一つ分かっているのは、アイツはもうオレ達と同じ始祖ではなくなってしまったという事だけ
兄さんにかける言葉が見つからない。
きっとオレも今、兄さんに何か言われた所で何も言い返せないと分かったから────
いつか...いつかアイツを一度だけでもこの手の中で抱き締められるのなら、言ってやりたかった
『ユウラを愛してる』
ってね。
真っ赤な月を見上げながら、そう思った事は、このままずっと誰にも言わないでいようか...
きっと兄さんも同じ事、思ってるだろ?
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