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The result of revenge [ディアラバ]

第12章 What we want to protect~守りたいもの




「シン...。そろそろ月蝕だ。そろそろここを脱出するにあたって、詳しい手順を話さなければならないぞ」

兄さんはそう言いながら、立ち尽くしたままその場から動こうとはしない。
もちろんオレもまた、起き上がるコトなくそのまま返事を返した

「そうだね。ここから出た後の話も聞きたいしね」

そう返すと、兄さんは淡々と計画について話し出した────


ひとしきり手順を聞き終えた後、オレが一番気になったコトを言った

「...で、アイツのコトはそのまま逆巻の奴らの所に置いておくつもり?」

オレがそう尋ねると、兄さんはいつも首元に巻いてある布で、更に口元を隠しながら黙り込んでしまった。

「ねぇ、兄さん聞いてるワケ?そうやっていつもみたく黙ってばっかりいるんだったら...オレ、ユウラを奪い返そうと思ってるんだけど?」

「駄目だ。シン...私がどんな思いで決断したと思うのだ」

「そうだけどさ...このままで居られるワケ───」

「何度も言わせるな!今はココを出る事だけを考えろ。」

またそうやってねじ伏せて来るんだね、兄さんは...
オレはいつだってそうだった。
何をやっても兄さんには敵わない、それが気に食わなかった。

「分かったよ。兄さんがそう言うなら仕方ないよね...とりあえずはココを出よう。」

「そうだ。、全てはその後だ...」

ホント気に入らないね。相変わらずな兄さんも、それに抗えないオレ自身も...

オレを言いくるめると、すぐに立ち去っていく兄さんの足音を聞きながら、オレは寝転んだままその場で目を閉じた────



目を閉じ、思った...
きっと兄さんは、オレが何を思い何を考えているのか全てお見通しなんだろう。と...

なぁ、ユウラ?
オマエが今ココに居たならきっとこんな苛立ちなんかどっかに消えていくハズなのにね。

「クソッ!もう考えてもキリがない...」

まずはこんなクソみたいな場所から抜け出してやる

そうだ。今までだって兄さんの言う通りにして間違ったコトなんて無かったハズじゃないか

月蝕まで後少し。

「適当にやり過ごすっきゃないね」


そして、しばらくの間その場で眠ってしまっていた...


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