• テキストサイズ

The result of revenge [ディアラバ]

第11章 Lunar Eclipse~月蝕~epilogue





「んん......」

どの位気を失っていたのだろう
目を覚ますと、歩いていた時よりは少し気分が良かったものの、身体全身で感じる嫌悪感はまだ残っている。

「おや?ようやく目を覚ましましたか」

「あ、レイジさん...私───」
起き上がりながら、レイジさんの声のする方へと向くと、私が聞くより先に言った

「心配には及びませんよ、ようやく月が欠け始めた所です。」

その言葉に安堵した。
目が覚めたら月蝕が終わってたなんて、それほどみっともない事はない...
この時を待っていたのは、彼ではなく私なのだから。

一息ついた後、辺りを見渡していると...

「無事にお父上の居城へ着きましたよ。ここはちょっとした客間です。安心して少し休んでいなさい」

レイジさんは悠長に紅茶を飲みながら、客間だと言うこの部屋にある、とても高価そうなテーブルセットのイスに、足を組みながら腰掛けている
それは、逆巻家のレイジさんの部屋でよく見ていた姿だった...

「けど、月蝕ってあっという間に終わっちゃうんじゃないんですか?」

「おや?貴女には言っていませんでしたか?魔界の月蝕は、人間界のそれよりも長い、と...」

「あ...。そうでしたね...じゃぁ、お言葉に甘えて、もう少しだけ休ませてもらっても良いですか?」

「ええ。構いませんよ」

部屋にある大きな窓から差し込む、万魔殿からよく見ていた魔界の灯りが、少しづつ暗くなっていくのを、レイジさんの後ろに見ながら、私は再びベッドへと横になった...

休むと言って横になったけれど、目を瞑る余裕もなく、私はただレイジさんが紅茶を飲む姿を見ていた。

「...レイジさん?」

「どうしました?私の顔に何か付いていますか?」

「えっと...良かったらでいいんですけど、もう少し側に...来てくれませんか?」

落ち着かないこの私の身体を、どうにかして落ち着かせたい。そう思った途端、自然にそう言ってしまっていた...

「おや?ユウラにしては、珍しい事を言うものですね...こんなに側に居るというのに、もっと...などと欲張りな事を」

手に持っていたティーカップをテーブルへ置くと、少しため息混じりに言った

「そんなに側に居て欲しいのなら、貴女からこちらへ来たらどうです?全く、この私に指図するとは...」


/ 208ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp