The result of revenge [ディアラバ]
第2章 the meaning to exist~存在意義~
「...はぁ。騒がしい人ですね貴女」
そう言いながらこっちへ近づいてくる
「す、すみません。しっかり傷の手当までしてあったので...つい呼び止めてしまいました。」
私、何を言っているんだろう
「呼び止めておいてそれだけですか?私が気を利かせて、ここから立ち去ろうとしてあげたというのに...」
そ、そうなんだ...
「どうしました?そんな顔をして。あぁ、貴女私にも吸ってもらいたいのですね?」
───吸う?!
吸血って...
「嫌です!!」
そうだ、この人達ヴァンパイアだ
一瞬で我に返る...
帰りたい。
けど、どこに?
私に居場所なんか無いじゃない...
もうどうにかなりそう
けど、ここで騒ぎ立てても何も解決などしない。
「すみません、少し取り乱しました...もう大丈夫です。紅茶、頂きます...」
そう言うと、彼は鼻で笑い
「そうですか、残念ですね...では私は失礼しますよ。紅茶、温かいうちにお飲みなさい...それから、ここは私の寝室です。何も触らないようにお願いしますね」
そのままドアの方へ向き直し
出ていった
冷静になったからか、身体が動く。
とりあえず、落ち着こう...
起き上がり深呼吸をした。
「はぁ...紅茶、飲まないと冷めちゃうよね。」
って、私何を呑気な事言ってるんだろう
家族だと思っていた兄達に見捨てられ、見知らぬ場所で目が覚め、身体が人間になっていてる。
極めつけは、憎しみの対象だったヴァンパイアに吸血されたなんて...
今は頭を整理するので精一杯
「とにかく、私は今ヴァンパイアの住処にいるって事...だよね?人間になったって事は、こんな場所にいたら駄目じゃない...私、殺されるの?.....」
私しか居ないこの見知らぬ部屋で、独り言を言っている。
「けど、それでももういいかも知れない...」
そう思ったけど、
何故だろう、兄達の顔が浮かんだ...
何かが引っかかる。
このまま死ぬ訳にはいかない
逆に、都合が良いんじゃないかとすら思えてきた。そうだよ、まだ終わってない
自分自身に言い聞かせた。
紅茶の香りが余計に私を落ち着かせる。
一口飲んでみる
「ん...美味しい」
この状況でそんな言葉が出てきた自分にもビックリしたけど、とても不思議な味のする紅茶だった。
