第12章 私の最後(番外)
月は高く、夜町は静まり返っていた。
私は一人、その中を
白い息を吐きながら歩く。
…もう少し厚着をしてくれば良かった…。
もう冬が近い。
そんな時期に、着物と羽織り一枚は…
さすがに凍える。
『はぁ……』
外気よりも温かい吐息を両手に吹きかけ、
ハエのように手を擦りながら
"あること"を考える。
…沖田さん、元気でしょうか…
数月前、悲しく別れを告げた。
新選組の皆さんも、寂しそうに見送ってくれた、
あの時…。
ずっとずっと、彼らに会いたくて仕方がなかった。
特に、沖田さんに…。