第19章 with you
Oside
ピピピピっ
携帯のアラーム音が聞こえて、まだ重たいまぶたを少し開く
画面を見ると9時
起きなきゃな…
目を擦りながら体を起こすと、隣で寝ているやつがもぞもぞ動いてる
「起きろ、和」
N「んー、おーのさん…」
甘えた声で両手を伸ばす
「自分で起きろよ」
その両手は行き場をなくし、力なくベッドに振り落とされた
N「ばーか…」
そんな和の声も聞こえないフリをしながら、サッと着替える
「一旦家帰るから」
そう言うと振り返らずに寝室を出た
途中でタクシーを拾い家に帰ると、まずシャワーを浴びた
和の匂いを消すように、入念に洗った
和が嫌いなわけじゃない
ただ、彼に会う時に他の男の匂いがするのは嫌だから