第9章 carnival [k]night
Mside
翔さんが助けてくれた
親切だと少しでも思った俺がバカだった
今思うとあの目つきは怪しかったんだ
翔さんに会えるからって浮かれてた
S「潤、ごめんな…」
「なんで?翔さんは何も悪くないでしょ…?俺が勝手に会いたくて来たんだよ」
S「怖かったよな…」
「少しだけ…
だけど俺、翔さんが来てくれるって信じてたんだ」
S「え?」
「翔さんは俺のナイトだからさ
騎士は姫のピンチに絶対来てくれるものでしょ?」
S「そうかぁ、俺は騎士なのか」
「そう、だから守ってくれるって信じてる
だけど俺も翔さんを守りたいんだ」
S「俺を?」
「いつも守られてばかりはイヤだよ
リオに出発する前も心配させないようにって離れたんでしょ?俺は心配してるけど、会えない方がつらかった
翔さんは?心配かけないようにして、寂しくなかった?」
S「寂しかったに決まってる!
ずっと会いたかった…潤、来てくれてありがとう」
俺らはお互いをいつも心配してて、少しのことで不安になってしまう
仕事柄、仕方のないこともあるから我慢したことも多かった
だけど、そんな心配や不安も相手に伝えればきっと、「大丈夫」って答えてくれる
抱きしめて、キスをして、目を見て、
S「愛してる…」
そう言ってまたもっと好きになる
「翔…、愛してる」