第10章 カゲノキシ
親友ってどういうこと?
「私と高音は幼馴染だから。」
「そんな話聞いたことありません。」
「だって稲葉さん高音と半年しか一緒に
居なかったでしょ。」
「・・・はい。」
「でも私は会うたび稲葉さんのことを
自慢されて一方的にあなたを知っている。」
「奏四くんがそんなことを・・・。」
「天才、天性の才能の持ち主。」
「誰の事ですか?」
「稲葉さんの事よ。」
「私はそんなんじゃ・・・。」
「高音から手紙を貰ったの。」
若井さんも?!
「・・・あなたのその才能を、そしてあなた自身を
守ってほしいって。」
「・・・え?!」
何それ、私の知らないところで何かが
動き出そうとしていたの?