第1章 ニホンバレノヒ
あぁ、何でこんなにいい天気なんだろう。
こんな日にはトランペットでも吹けば
さぞ気持ちいいだろう。
でも、私はひかない。
弾きたくない。
なんと矛盾した感情だ。そう思いながら私は今日も、
窓の外を見つめる
「ルナ、ねぇルナってばっ!」
「な・・何、アキラ?」
「何じゃないわよ、次移動教室でしょ!」
「あ、そうだった。」
「もう、しっかりしてよね。」
そうだった、次は音楽だ。
「行くよ、ルナ。」
「待ってよ。」
「はーい、出席とります。」
「井上アキラ。」
「は~い。」
「稲葉ルナ。」
「・・・・・。」
「呼ばれてるよ、ルナ。」
「稲葉ぁ、ちゃんと返事しろよ。」
「・・・・・すみません。」
何でだろう、何か落ち着かないな。