第5章 イシキトシボウ
憂鬱な雨の日、私は病院に足を運んでいた。
もちろん、彼氏の見舞いだ。
「ねぇ、あなたは何時起きるの?」
こんな質問してもあなたが返事しないのは
分かってる。
・・・でも、寂しいからもう少し話させて。
「・・・ㇽ・・ナ。」
「えっ?!」
「ルナ・・・おはよう。」
「・・・奏・・四くん?」
「おきたよ。」
絶対にもう起きないと思ってたのに。
「大丈夫なの?」
「うん、それよりルナが。」
私の目からは数年ぶりに大きな大きなしずくが、
こぼれ落ちていた。
だが、数日後
彼は突然・・・死んだ。