第7章 夏合宿1日目。
蛍の背中を目で追っていれば、バタバタと近づく足音。
「みゆさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあん!夜久さん厳しい!」
突然後ろから飛び込んできたリエーフはいつも通り私をぎゅっと抱きしめる。
自覚する前ならもっとマイルドな対応ができたはず。
でも今はきっと顔は真っ赤。
リエーフの顔も見れない。
リエーフに触れている部分が熱い。
心が跳ねてうるさい。
『ごめんっ!やっぱり私先に戻るね‼︎』
抱きついたリエーフを無理やり引き剝がし私は急いで体育館を出る。
あからさまな態度に周りは首を傾げている。
でも無理。
なんでこんなことできたんだろう。
リエーフとのスキンシップが恥ずかしい。
どきどきする。
赤くなってしまった顔はなかなか戻らず、できるだけゆっくり私は通路を歩き食堂に向かった。