第7章 夏合宿1日目。
少しずつ不安な気持ちを抱えながらいつの間にか時間は過ぎ、森然での合宿当日になった。合宿については一応両親の携帯に連絡は入れたが返事は返ってこなかった。
音駒への集合時間は朝の6時。
早めに学校に行きたいから家を出るのは1時間前、なんて計算をして5時には家を出ることにした。
身の回りの準備をし、家の掃除をする。時間になったので家に鍵をかけ、階下に向かった。ゴミをダストボックスに置き、入り口に向かう。
洗濯ができるとはいえ1週間分の荷物は重い…
肩から下がってきた旅行用バッグと、財布などを入れた通学用の鞄を背負い直した。
「美優さん!おはようございます!」
声をした方を確認すれば入口の階段にリエーフが座り込んでいた。
『リエーフ⁈なんでここにいるの⁉︎』
私がそう言うとリエーフはにこりと笑い私の荷物に手を伸ばす。
「迎えに来ました!荷物持ちますよ?」
『いやいやいや…』
「俺が1番に会いたかったんです!」
『だから昨日、家出る時間わざわざ聞いてきたのね?』
学校で待ち伏せくらいは予想してたけど家まで来るとは思わなかった…
リエーフは私の旅行用の鞄を手に取るといつも通り手を差し出す。
「美優さん、行きましょう?」
いつものように私が手を重ねるとリエーフは他愛もない話をしながら私に笑みを向け歩く。それだけで私もなんだか嬉しい気持ちになる。
日の光がまぶしくなり始める夏の朝。
赤いジャージの私達は学校に向かって歩み始めた。