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あいつはねこまのわんこ系少年【HQ】

第45章 ばれんたいんでぃ





『マサちゃーん?できたよー。』

「んー?おう。」

マサちゃんの目の前にケーキを持っていくと、マサちゃんはお皿を受け取る。

『あとは…ちょっと待ってね?』

準備室をゴソゴソした後1度部屋を出て、少し経った後、改めて準備室に戻る。

『お待たせ。コーヒーどうぞ。』

そう言ってマサちゃんが座る窓際にコーヒーを置くとマサちゃんはくすくすと笑いだす。

「今年で3回目か。椎名。」

『そうだねー。1年の時からだったねー。』

1年はフォンダンショコラ。
2年はティラミス。
そして今年はガトーショコラ。

それらに毎年コーヒーを添えて。

「美味いんだよなー。椎名のコーヒー。」

『そりゃあ私ブレンドだもん。私も自分の持ってくるから食べててよ。』

そう言うと私は自分の分を取りに調理室に戻った。

片付けをみんなに任せ、自分の分を取り分けると準備室に戻る。

『たまにはマサちゃんと一緒にたーべよ。』

「なんだそりゃ。」

『まあ、マサちゃんにはたくさんお世話になったからね。』

1年の時からいっぱいいっぱいお世話になったから。

『本当にありがとね?』

そう言うとマサちゃんは私の頭をぐしゃぐしゃと撫でる。

「そりゃあなー。困ってるやつ見たらほっとけねーのよ、俺。」

顔を見るとマサちゃんは穏やかに笑う。

「椎名は最初っからなんだかんだあったからなー。最初っから目が離せなかったわ。」

『卒業したらほっとするでしょ?』

そう、問いかけると、鼻で笑ったマサちゃん。
さっきよりも強めに頭を撫でる。

「どうだろな。」

『っていうかマサちゃんは結婚の予定ないの?私、ウエディングケーキ無償で作るよー!』

そう、笑いながら問うと、穏やかな顔をしていたマサちゃんの動きが止まった。


『本当に好きな人もいないの?』

そう聞けば真面目な顔をしたマサちゃんが私を見つめた。


「本当に聞きたいのか?」

『…うん。』




























「俺は、お前が好きだよ。椎名。」

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