第44章 春の高校バレー。
朝4時半。
アラームを切り、ささっと身支度をしたあと、昨日下ごしらえをしていたお弁当のおかずを作り始める。
唐揚げ、ハンバーグ、出し巻き卵にポテトサラダ。
その他たくさんのおかずを作ってはお弁当に詰めていく。
おいなりさんとおにぎりを作り終わった頃もそもそと起きてきたリエーフ。
あ、リエーフなんだけど、いちいち荷物持ちに家に帰るのが面倒っていう理由で大会限定で泊まりにきてる。
「おはよ…ございます。」
『ん、おはよ。』
習慣化している朝の挨拶のキス。
それが終われば朝食の準備。
ゆっくりご飯を食べて準備をすれば家を出る時間。
「じゃあ行きましょうか。」
そういうリエーフのジャージの胸ぐらをぐっと引き寄せると軽く唇を触れさせる。
『今日…頑張れるように。』
照れくささで顔を下に向けると、ぽんぽんと大きな手が頭を撫でる。
「じゃあ、俺のことちゃんと見ててくださいね?」
行きますよ?
そう言って私の手を引くリエーフ。
その手は外気にさらされてひんやりと冷たかった。