第44章 春の高校バレー。
モヤモヤを打ち払うように早足で体育館の外に出れば私を呼ぶ大きな声。
「みゆさーん!」
急いで走り寄れば周りの目なんで気にしないみたいにぎゅっと抱きしめられた。
「遅かったから心配したんですよー?」
『ごめん。少し迷っちゃって…あれ?監督たちは?』
「学校に報告だって帰った。美優きたら解散していーって言われてるから解散なー。」
明日遅れんなよーっていうクロの声と共に私達は解散。
私は今日みんなが着たユニフォームと空になったお弁当を持ち帰宅…
と思ったら、その荷物はリエーフにかっさらわれた。
『どっちか持つよ?』
「力仕事は俺に任せてください!その代わり夕飯はいつもより増し増しでお願いします!」
にかっと笑ったリエーフを見ていたら先ほどのモヤモヤもバカらしくなってしまった。
『わかった。じゃあ今日はカレーにしようか。カツも乗せてカツカレー!』
「やった!美優さんのカツ美味いんだよなー!」
変なことは考えない。
好きって言ってくれるリエーフのことを信じればいいの。
そうだよね?リエーフ。