第5章 初!合宿。
梟谷が到着してからしばらく経ったころ、烏野高校御一行が到着したらしく、クロ、海くんと一緒に烏野のメンバーを迎えに行った。
先に到着したクロと烏野高校の子が談笑をしてるのに聞き耳を立てれば、近くに建っていた鉄塔をスカイツリーと勘違いしたらしく、海くんが優しく突っ込んで、クロが大爆笑している。
ぶひゃひゃってなんだぶひゃひゃって。
バレー部にはいる人はみんな身長高いななんて思いながら烏野御一行と体育館に向かっていれば突然どこからか雄叫びが聞こえる。
きょろきょろ周りをみれば女子に免疫のない山本が烏野のマネージャーを見て叫んでいた。
「女子が2人になっとる…」
打ちひしがれている山本に烏野のメンバーらしい坊主くんが山本の肩をポンと叩く。
「見たか虎よ…これが烏野の実力なのです。」
「くっ…眩しいっ…!」
鬱陶しい。やりとりがすごく鬱陶しい。
鬱陶しいけれど体育館に全員集まらないと本格的な合宿が始まらないため2人に仕方なく声をかける。
『山本、そんなところで打ちひしがれてないで体育館戻りな。合宿始まらないよ。』
「はっ!ふぁい!」
坊主くんは山本に声をかけた私を見て歓喜の雄叫びをあげた。
「おい虎!音駒もマネージャー入ったのかよ!潔子さんともやっちゃんとも違う感じ!まさに天使!」
「椎名さんは合宿だけの臨時マネージャーっす!」
2人の勢いに溜息を吐く。これは放っといた方がいいだろう。勢いのある2人から目を離すと私は列の後ろを歩いていたマネージャー2人に話しかけた。
『マネージャーさんですよね。私、音駒のマネージャーの椎名美優です。』
私が挨拶すると、黒髪眼鏡の美人さんが自己紹介してくれた。
「烏野高校のマネージャー、3年の清水潔子です。」
もう1人の子は挙動不審な動きをしながらも自己紹介。
「谷地 仁花っす!1年っす!よろしくおねがいしゃす!」
『清水さん、私も3年。それも合宿だけの臨時マネージャーだからわからないことだらけ。もし抜けてることがあったら教えて欲しいな。」
「私も他校との合宿が初めてなので…何かあればよろしくお願いします。」
『谷地ちゃん…名前で呼んでもいい?』
「しゃっす!」
『じゃあ、仁花ちゃんよろしくね。じゃあ体育館、いきましょうか?』
各々が自己紹介を終えると、私達は荷物を抱え体育館に向かった。