第5章 初!合宿。
「「「よろしくお願いしまーす。」」」
とうとう始まった梟谷グループの1泊2日の合同合宿。
今回は音駒開催のため朝から準備で大わらわ。
森然、生川は到着し、控え室に移動してもらったため残りは梟谷と烏野。すぐに1台のバスが到着したのを見て抜けていた気を入れ直せば、停車と同時に勢いよく人が降りてきた。
「ヘイヘイヘーイ!合宿だぜー!」
1番最初に出てきたつんつんヘアーは元気に両手を掲げている。
「叫ばないでください木兎さん。最初は挨拶じゃないんですか。」
黒髪の大人しそうな子がつんつんさんの次に降り、その後ろから他のメンバーが降りてきた。
「おー黒尾!久しぶりだな!」
「今年もお世話になります。」
先ほどの2人が私の隣のクロに話しかけながら私に視線を向ける。
「おう、木兎に赤葦!今回もよろしくな。」
「今年はマネ入ったのか?ちっちゃくてかわいーな!」
「あ。」
つんつんさんが言った言葉を聞きクロが固まるのを横目で見ると、口元だけ笑みを作り挨拶をする。
『”3年”の椎名美優です。よろしくお願いします。』
目は笑っていないだろう。だって…
「ぼ、木兎…光太郎デス。」
木兎君が固まってるもん。
「うちの主将が失礼しました。副部長で2年の赤葦京治です。よろしくお願いします。」
『よろしく赤葦君。』
礼儀正しい赤葦くんに表情を緩め会釈をするとクロがこれからの流れを説明、返事をした梟谷のメンバーは体育館に歩き出した。
梟谷のメンバーが体育館に行く中、列の後ろから女の子が2人私に向かって歩いてきた。
「音駒のマネージャーさん?うちのバカがごめんね。私、雀田かおり。こっちが…」
「白福雪絵でーす。よろしくおねがいしまーす。」
梟谷のマネージャーさんは2人か。
雀田ちゃんそばかすで茶髪のポニテ。
白福ちゃんがおっとりしたボブヘアーの子。
あとは生川の宮ノ下ちゃんに森然の大滝ちゃん。
烏野はクロから聞いたら3年と1年の2人らしい。
どんな子かちょっと楽しみ。
『こちらこそよろしく。私、合宿だけの臨時マネージャーだからいろいろ迷惑かけちゃうかもしれないけど…よろしくね。』
「よろしくおねがいします。」
「じゃあ私たちも体育館いきましょうか。」
一通り挨拶をすれば、私たちは部員たちが待つ体育館に合宿の荷物を持ち向かった。