• テキストサイズ

あいつはねこまのわんこ系少年【HQ】

第37章 ネコとヘビ〜ねこま、ピンチをチャンスに〜




コートを見れば、拳を胸に当て笑うクロ。

そして、試合について指示をするけんま。
けんまの指示を聞くメンバー達。



やっくんの抜けた穴は正直大きい。
でもその穴をみんななら埋めることはできる。

みんな、頑張って!





試合再開のホイッスルが鳴る。

コートに戻るみんな。

「あれ?リベロの子は入らないのかな?」

確かにコートに戻るメンバーに芝山の姿はない。
私が答えようと口を開くがそれより早くあかねちゃんが話をしだした。

「リベロはプレー中以外なら出入り自由で、もちろん入らないことも自由。
音駒は全体の守備レベルが高いし、芝山くんは試合慣れしてないだろうからリベロなしで行くのかも…」

「そっか…」

今までの試合にはずっとやっくんがいた。
リベロの芝山はやっくんが抜けない限り試合には出れない。
だから音駒での公式試合には初…ってことになるのかな?
それでも、順調に力はつけてきている。
だから、大丈夫。



その後の試合は、リエーフがダイレクトでスパイクを決めた。
その後にクロが嫌味な笑顔を投げかけたりしている。

リエーフのサーブもなんとか決まったし、リエーフ狙いの大将くんのスパイクもクロが綺麗にキルブロック。

「「『どシャーット‼︎‼︎』」」

「追いついた‼︎同点‼︎」

「どんどん応援するよー!」

その後もリエーフがミスしたり、取り返したり…


でも先にセットポイントをとったのは戸美。

『「「1本カットー!」」』

3人で叫ぶ。

なんとか、なんとか決めてほしい。
追いついてほしい。
その気持ちだけで必死に応援する。

リエーフとのチェンジでコートに入った芝山は一度深呼吸した後落ち着いて構える。
そして、大将くんが放ったサーブを練習の時…ううん、それ以上に綺麗にボールを打ち返し、それをクロが速攻で打ち返した。

『やった…追いついた!』
「これでドゥー…ジュー…デュース⁇」

発音がイマイチらしく、アリサさんは首をかしげる。
その隣ではあかねちゃんかぐっと身を乗り出し嬉しそうな顔で笑っている。

「うん!よおおし!粘りじゃ負けないんだから‼︎」

『そうだよ!だって私達は「護りの音駒」。繋ぐことは誰にも負けない!』

そうだよ。
私達は、負けない。


/ 617ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp