第35章 ねことふくろう〜代表決定戦1試合目〜
「じゃあ、こっちも始めますか。」
そう言ってあかねちゃんは拡声器のスイッチを入れる。
次の瞬間、拡声器からは音駒への応援が響きだす。
あかねちゃん主導で応援が始まった。
びしりと決まった試合前一発目の応援。
『あかねちゃん…すごい!』
私はお世辞抜きで賛辞を述べるとその横ではアリサさんがコートの弟に応援をしている。
「がんばれ。レーヴォチカー♡」
そういえば…
「レーボ…?」
「レーヴォチカ♡」
『って…なんですか?』
「なに?チョーカワイイ!」
私とあかねちゃんがアリサさんに聞くと、左手を頬に添え、私達の方を見てにこりと笑った。
「リエーフの愛称よ。」
『可愛い…』
「チョーカワイイ!」
「美優ちゃんも呼んであげれば?喜ぶわよ?レーヴォチカも。」
『いやいや、私、リエーフで慣れちゃいましたし…』
「あ、試合始まるよー!」
慌ててコートを見れば、整列は済んでいてまさに試合が始まろうとしている。
「「「ねあいシァース‼︎‼︎」」」
両チームの挨拶が終われば、試合前ラストのミーティング。
元気な声が体育館に響く。
そして、円陣。
自分も一緒に円の中にいるつもりで見つめる。
いつもの掛け声。
「俺達は血液だ
滞りなく流れろ
酸素を回せ
『脳』が正常に働くために」
試合開始の音が鳴り響いた。