第35章 ねことふくろう〜代表決定戦1試合目〜
ばびゅん!
目にも留まらぬ速さで私の前に飛んできたアリサさん。
両手をぎゅっと握られる。
「かわいいっ!かわいいっ!
髪の毛ふわふわ!お目目くりくり!
美優ちゃんって呼んでもいい?
こんど一緒にお買い物行きましょう?」
リエーフっぽい。
美人なのにこの全力で突っ込んでくる感じが。
「アリサ、美優さん困ってる。」
「あらやだ!ごめんなさい…」
アリサさんは恥ずかしそうに私の手を離してすすすっとリエーフの影に隠れた。
『あ、いや、大丈夫ですよ?美優って呼んでください。
あと、アリサさんって呼んでもいいですか?』
そういうとシュンとしていたアリサさんはぱあっと顔を輝かせこくこくと首を縦に振った。
「申し訳ねえんだけどさ…?アップ…してもいいか?」
私達を遠巻きに見ていたクロがポツリとつぶやいたところで私は我に帰る。
周りを見ると呆れた顔に苦笑いの顔。
『…邪魔してすいませんでした…アップどうぞ。』
すすすっと端により場所を開ける。
大事な大会前に何やってんだ私は…