第35章 ねことふくろう〜代表決定戦1試合目〜
『じゃあ私、ドリンク作ってくるね。』
そう、みんなに告げると私はボトルを入れたカゴを持ち体育館内に向かう。
水道水道…
水場を探していると後ろから急に名前を呼ばれる。
振り返るといたのは賑やかなツンツンヘアー。
『木兎…うるさい。』
「すいません。俺が見つけたから。」
まあ、木兎がいるんなら赤葦もいるよね…?
『ふたりとも久しぶり。今日は負けないんだからね?』
「オレも負けねーぜー!ヘイヘイヘーイ‼︎」
「木兎さん、アップ戻りますよ?」
そう言い木兎をメンバーのいる方に戻すと赤葦は私の方を見てニヤリと笑う。
「へえ…指輪…ですか。」
『何よ…悪い?』
「いいえ?」
含むように笑う赤葦。
「いい色ですね、グリーン。」
そう言いながら赤葦は私に背中を向ける。
「負けませんよ?俺達は。」
『私達だって…負けない。』
私はボトルを入れたカゴを持ち直すとドリンクを作るために足を速めた。