第33章 ThankYouForComingToTheWorld
さて、どうしよう。本日、10月29日。
まっっっっったく決まってません!
何がって?リエーフの誕生日プレゼント。
明日は学校だから、週末に改めてお祝いするのは決まってるんだけど…男の子に何あげたら喜ぶかなんて全然わからない…
授業の合間にスマホで情報を集めながらため息をついているといつの間にか隣にいた千景に声をかけられた。
「なーにため息ばっかりついてんの。」
『千景…男子って何をプレゼントされたら嬉しいかな?』
千景はキョトンとした顔をしたかと思ったら真顔でアホなことを言い出した。
「美優。」
『は?』
「美優にリボンかけて、プレゼントはわ・た・し♡ってやればプレゼントなんていらないって。」
『いやいやいや…そういうのじゃなくて…』
「じゃあハロウィン近いからコスプレ?魔女とかナースとか?」
『ナース関係なくない⁈』
「じゃあベビードール着て、私をあげるとか?」
『コスプレからも反れてる!』
ツッコミに疲れる…
『だから…リエーフにいつも使ってもらえるもの…とかがいいかなって…』
千景は私の席の隣に腰掛け、長い足を組む。
「うーん…ペアものは渡してるんでしょう?アクセ…はもう指輪つけてるし…他のもの…」
千景は少し悩んだ後、すくっと立ち上がる。
「よし。一緒に買い物行くよ!」
『…え?』
「何もないところで考えるよりお店行って実物見た方が考えまとまる!ってことで美優は今日私とデート!」
『あ…ハイ…』
「ちゃんとリエーフに連絡入れておいてよ?後で拗ねられるのも嫌だし。」
ということで、千景と放課後デート決定です。