第30章 私の…嫌いな人。
春高の予選と私の試験まであと少しになったある日。私は久々に土曜日の部活に参加し、激励のために差し入れを作った。
差し入れは好評。みんな残さず食べてくれた。
次の差し入れは春高予選と私の試験が終わったあと。
リエーフを家に招くのも春高予選が終わるまではガマン!って言ったんだけどリエーフに甘えられて押し切られた。
今日が最後だって念押ししたから大丈夫だとは思うんだけど…
「だって美優さんと一緒にいたいんすもん…」
なんて項垂れた顔と声で言われたらダメって言えなくて…
私、リエーフに甘いな…
『今日はお泊りなしね?』
帰り道、そうリエーフに言うとリエーフテンションが再び落ちる。
「なんでですか…」
『だーかーらー!試験と春高予選頑張ろう。その分集中しようって言ったじゃない。』
頑張るから先にご褒美…なんて言われちゃったけど…ほだされないんだからね…
『ほら、入るよ?』
いつものように部屋の鍵を開け、扉を開けた。
そこまではいつも通りだった。
そう。
そこまでは。