第29章 Resulting in Punishment
『う、わぁぁぁぁあ!』
びっくり。いや、本当にびっくり。
机の上には、チャーハンとサラダ、そしてわかめスープが乗っていた。リエーフを見るとドヤ顔でこっちを見ている。
『リエーフ料理できるんだね?』
「美優さんが作ってるの見てますから!見よう見まねでやっただけっすよ?味見はしてるんで味は心配ないっす!」
リエーフは丁寧に椅子まで引いてくれる。いたせりつくせりな状況にドキドキが止まらない。
「美優さん、食べて食べて?」
目の前に座ったリエーフがニコニコと見てくるから、スプーンでチャーハンを掬うとひとくち、口に入れた。
『おいし…』
「よっしゃ!」
リエーフはガッツポーズをすると自分もスプーンを手に取りごはんを食べ始めた。
外食以外の自分以外のごはん、久しぶりだなぁ…
ニコニコと笑いながら食べるリエーフを見ながら私はリエーフに作ってもらったごはんを味わって食べた。
『ごちそうさまでした。』
私は立ち上がり食器を洗いにキッチンへ向かおうとすると、すかさずリエーフにお皿を奪われる。
「お風呂も沸いてますから入ってきちゃってください。洗い物は俺やっておきます。」
こんなリエーフ初めて…
『リエーフ…どうしたの?』
「いいからいいから!」
ニコニコと私の背中を押すリエーフ。
何か怪しい気はするけど…
そう思いながら私は部屋から着替えを持ち出し、お風呂に向かった。
私はお昼の事をすっかり忘れていた。
そして、リエーフが何かを企んでいることなどまったく気づいていなかったんだ。