第25章 音駒高校文化祭準備編!
2学期が始まった。
久しぶりの制服…でもないか。バレー部のマネージャーとして学校来てたし。それでも教室に来るのは久々。
いつも通り机に鞄を置き、座るとなぜか周りがザワザワしだす。どうしたんだろうななんて1人スマホをいじっていると後ろから声がかかる。
「おっはよー美優。」
『千景、おはよ。』
「お、とうとう美優も男のものになったんだ。」
…え?
『千景…私、付き合いだしたって言ったっけ?』
「キスマーク。ついてるよ?」
不思議に思い聞くと、とんとんと首を指で突きにやりと笑みを浮かべながら言う千景。
『うそっ!』
該当の場所を手で押さえ千景を見るが、その視線は私の後ろに向く。
「付ける場所考えなさいよー。わんこくん。」
千景が私の後ろを指差すとはい!といい返事が聞こえた。振り向くとリエーフがバツの悪い顔で笑ってる。
リエーフが来たのがわかるとサブバッグからお弁当を取り出し机に置く。前の席の人に椅子を借りるとリエーフは椅子に座ってお弁当が開くのを今か今かと待ちわびていた。
『本日のお弁当は、オムライスにハンバーグ、インゲンとトウモロコシと人参のバターソテーです。どうぞ!』
かぱっとお弁当のフタを開けると目をキラキラさせる。そして両手を合わせると勢いよくお弁当を食べ始めた。
『これ…どうしよう…』
取り出した手鏡で見るけどいまいち場所がわからない。
絆創膏を貼るにも、どこに痕があるかがわからないので自分で貼れない。
「俺、貼りますよ?」
いつの間にかお弁当を食べ終えたリエーフが口をもぐもぐさせながら私を見る。
『じゃあ…お願い。』
っていうかリエーフがつけたからこうなってるのであって…まあいいや…余計なこと考えないでおこう。
結った髪の毛を上にあげ、リエーフにうなじを向ける。ぺたりと絆創膏が貼られた感触がしたかと思えばふにっと別の何かがうなじに当たり周りのクラスメートは驚きの声を上げる。
「あれ?やっぱダメでした?うなじにチューするの。」
えへっと効果音のつきそうな笑みを浮かべるリエーフ。いやいやいや、部活では慣れたが教室はまた別でしょ。羞恥心にリエーフに手を伸ばすと両頬を勢いよく手のひらで挟んだ。
『リエーフの………リエーフのばかぁぁぁぁぁあぁぁあ‼︎‼︎‼︎‼︎』