第24章 green with envy
side 灰羽
やっと自分の物に出来た。
達成感と征服感。
俺はそれに支配されていた。
だから気付かなかったんだ。美優さんの気持ちに。
ふと気づけば、美優さんのカラダはふるふると震えていた。
結合部にはわずかな血液。
ぱた
ぱた
何かがシーツに落ちる音。
音が気になり自身の肉棒を一度止める。
顔を上げると背中に無数の赤い華を散らした美優さんが、自分の腕に噛みつき声を出さないようにしながら、体を震わせ、泣いていた。
頭が真っ白になった。
何してるんだ俺。
我に帰った俺は自身を引き抜きそっと美優さんを抱きしめた。
『りえ…ふ?』
「ごめんなさいっ美優さん。頭に血がのぼって…こんな勢い任せで…美優さんごめんっ…ごめんなさいっ」
傷つけた。
美優さんの真っ白な肌に咲いたたくさんの赤い華。
涙で濡れた顔。
堪えるために噛んだ腕の歯型。
全てが痛々しくてどうしたらいいのかわからなくて、俺はただ、美優さんの体を抱きしめた。
『りえーふ?』
腕の中から小さく俺を呼ぶ声をする。
恐る恐る顔を見ると涙目で俺を見つめてくる美優さん。
『よかった。いつものリエーフだ。』
そう言って美優さんは柔らかな顔で笑った。