第23章 まだまだ夏休みは終わらない!2日目‼︎
涙を拭きみんなと合流すると、蛍は新幹線の切符を買った。
18時半。
蛍と過ごせる時間までのタイムリミットまで私達は蛍の買い物に付き合った。それでも余った時間はみんなで話をした。
「次の合宿って来週かぁ…またこのメンツと会うのか…」
「俺ら明日からまたバレー漬けだぜー。」
「木兎さんは宿題終わったんですかね。」
「あかーし!ヤボなこと言わない!」
「また合宿!日向成長してんのかなー。」
『リエーフ、それ失礼。蛍、これ。』
私はさっき購入した袋を蛍に渡す。
『2日間ありがとうございましたって親御さんに伝えて?』
私からのお土産、と伝えると蛍は頭をぽりぽりと掻き、小さな声でお礼を言う。
『あと、これ。』
今度は小さな袋を渡す。
この時間に帰るのにお土産以外をまったく買ってない蛍を見かねて買ったご飯。
『ちゃんと食べないと体もたないよ?』
「美優、かーちゃんみてー。」
『木兎、なんか言った?』
私は睨みを利かせ木兎を見る。
「いや…なんでもねー…」
蛍の方に向き直ると笑いながら胸に袋を押しつける。
『しっかり食べないからそんなにひょろひょろなのよ…もやし。』
一瞬気の抜けた顔をした蛍。すぐに意地悪なにやり顔になり言い返す。
「いっくら食べても身長伸びない美優さんはなんなんですかね。あ、だからそんなに脂肪が」
『脂肪じゃありません。胸です。』
「胸も脂肪ですよ?残念でした。」
『蛍はもう少し脂肪つけなさいよ。』
「成長期だって言ってるデショ。僕、伸び盛りなんです。」
懐かしい。周りが少し遠巻きに見ている中、2人して顔を突き合わせ嫌味三昧。なんだかおかしくて2人で笑った。
「阿呆みたいですね、僕達。」
『だね。』
渡した袋を受け取った蛍はにやりと笑う。
「次に会う時はショートケーキワンホール。」
『絶対美味しいの作るから。』
「期待してますよ?」
次会うのは来週の合宿。ブルーな気持ちになってたけどもう大丈夫。
蛍、ありがと。
蛍は時間通りに来た新幹線に乗り、宮城に帰って行った。