第15章 夏合宿5日目。
昨日は消灯時間ぎりぎりに部屋に駆け込んだ。布団に入ってもぐるぐるといろんな感情が渦巻き、あまり眠れなかった。最後にスマホを見たのは確か4時だった気がする。
眠い。
それでもなんとか朝の身支度をして、食事に行く。
「おはようございます…美優さん。」
声の方を向くと、いたのは赤葦。
『おはよ。昨日はごめんね?』
「…大丈夫でしたか?」
『大丈夫。』
「大丈夫じゃなさそうな顔してます。」
赤葦の顔を見る。その目は心配そうに私を見ていた。
「目の下、隈…できてますよ?昨日、寝れました?」
『ちょっと…考えごとしてたから、あんまり…』
無理やり笑顔を作ると、頭をぽんぽんと頭を撫でられる。
「あまり、無理しないでくださいね?合宿明日もあるんで。」
気遣いが嬉しい。
でも、2日目に体調崩してるし…
『あと2日だもん。大丈夫だよ。ご飯食べよ?』
そう言い私は食堂の入り口を開けた。