第14章 夏合宿4日目、夜。
初日より声の張りをなくした挨拶が体育館に響く。無事、4日目の全体の練習が終わり、みんなは自主練に散っていく。
『ビブス回収します!あと洗濯物ください!』
そう叫ぶとみんなは次々に洗濯物を置いていく。瞬時に出来上がったのは洗濯物の山。
みんな汗だくで頑張ってるもんな…
そう思いながら汗臭いそれをまとめるが回収のカゴにも入りきらず、とりあえずできるだけ詰め込んで持ち上げてみる。
『前…見えない。』
山盛りになったカゴをとりあえず気合いで持ち、洗濯機までの道のりを歩く。重さはないのに前が見えないから不安定。
こ、怖い…
「お!美優発見!…ってその洗濯物の量ヤバくね?」
頭上から声が降ってくる。洗濯物を崩さないように慎重に前に進みながら私は嫌味を呟いた。
『だったら手伝って欲しいんですが…部長?』
「だって俺今から部長会議だし?スキありっ‼︎」
背中から聞こえるぷつんっという音。緩む胸元。
ちょっ!こいつ‼︎ブラのホック外しやがった‼︎
『クロ⁉︎あんたばっかじゃないの⁉︎』
「じゃあなー!」
『クソ尾!エロ尾!万年発情期‼︎』
遠ざかる声に罵声を浴びせるが後の祭り。ちょっかいだけだしてクロはさっさと行っちゃうし…どうすんのよこれ…
ダレカタスケテー