第1章 報告〜烏野の場合〜
「振られた人の背中追っかけて…だっせーべ…?」
自嘲するように呟くと大地は飲んでたビールを机に置く。
ごとり
というピッチャーを置く音がやけに大きく聞こえる。
「なあスガ…
ダサくなんかないぞ。
1人の人のことを想い続けた気持ち、ダサいなんていうやついないぞ。
一緒に3年間部活やってきたんだ。
スガが本気だったのなんてわかるよ。」
「スガ、まっすぐだもんなぁ。
一度決めたら揺るがない強さ?ってのかなぁ。
俺はそういうの無理だからなぁ。」
旭もしみじみ呟く。
「まぁ旭は昔っから顔に似合わずガラスのハートだもんな。なぁ?へっぽこエース?」
大地の旭いじりに乗じて俺も旭をこれでもかといじり倒す。
「そうだーひげちょこー!ネガティブヒゲー!」
「ちょっ!容赦ないなぁ…」
なんだか昔に戻ったかのような気持ちになり、3人でひとしきり笑った。