第5章 桜が咲いた。
『孝支くん。抱っこしてあげて?』
慌てて手を伸ばすとその腕に乗せられたのはあまりにも軽く、あまりにもふにゃふにゃな守ってやらなきゃいけない…
そんな小さな女の子。
月島に似たふわふわな髪の毛を撫でてやると目をぱちぱちする。
そっと頬を撫でてやると勘違いしたのか形の良い唇で俺の指に吸いつこうとする。
すげーな。子供って。
いつの間にか自分が笑っていることに気づく。
そっと頭を撫でてやると俺はあえて夏乃さんじゃなく月島に桜ちゃんを渡す。
月島が桜ちゃんを抱く手は様になっていて、やっぱり純粋にすげえって思った。