第5章 桜が咲いた。
「で?どうよ。月島。」
田中が月島の肩を組み、ニヤリと笑う。
「どう…って何がですか?」
「何がって決まってんだろ?『桜ちゃん』だよ!」
そう、今日は『桜ちゃん』のお披露目。
先日産まれた桜ちゃんの様子を見るのと、夏乃さんへの出産祝いを渡しに来たってわけだ。
「桜ちゃんツッキーそっくりなんですよ?あ、でも目元は椎名さんに似てて「山口うるさい」
「ごめん!ツッキー☆」
山口の月島自慢…いや、桜ちゃん自慢が始まったところで奥から夏乃さんが帰ってきた。
『ごめんねー?オムツ変えてきたの。
どうぞー。桜ちゃんでーす。』
夏乃さんが連れてきたのは、ちっちゃなちっちゃな女の子。
4月生まれの桜ちゃん。
山口が言うように目元は夏乃さん。
他のパーツは月島似。
ちっちゃくてふにゃふにゃで触れたら壊れそう。
『よかったら抱っこしてあげて?』
そういう夏乃さんにみんな動揺している。
ノヤと田中なんて固まってる。
「抱っこする前に手洗ってくるよ。ツッキー。」
「山口洗面所わかるでしょ?」
「わかるよ。洗面所借りるね?」
「じゃあ俺も。」
「俺も。」
結局みんながぞろぞろと手を洗いに行く。
まるで部活の休憩の時みたいで1人笑ってしまった。