第4章 雑誌。
その日の放課後、部活に行くと珍しく清水先輩に声をかけられる。
「ねえ、月島?」
「なんですか?」
「これ、月島?」
そう言い見せられたのは件の雑誌。
周りには厄介な先輩達がそわそわとしながら僕を見る。
ここまで知っている人が増えてしまったら誤魔化しは聞かないか…
「それ、僕です。用事があって東京に行った時、諸々の事情でやることになって…」
「まじか!月島!」
「お前すげーなー!」
間髪入れずにそう言うのは2年の騒がしい2人。
こうなるからバレたくなかったんだ。
「月島かっこいーなー。これって衣装?」
「私服です。」
「マジか!お前センスいーもんなー。こういうの似合わないからうらやましいわ。」
その点菅原さんはまだ楽だ。
からかいなしで純粋に褒めてくれてる。
「月島すごいな。これって大勢の前で撮るんだろ?オレ…緊張して無理だわ…」
「そうだな。お前のガラスのハート粉々に砕け散りそうだな。ひげちょこ。」
「大地…それ結構きつい。」
「他のメンバーって音駒の灰羽、黒尾、梟谷の赤葦と…これ、モデル?」
指差した先には髪を下ろした木兎さん。
「それ、木兎さんですよ。梟谷のエーススパイカー。」
僕がそういうとみんなは一斉に雑誌に目を向ける。
「これ梟谷の4番⁉︎イメージ違う!」
「これ、撮影仕様ってやつですよ。1人だけ着替えさせられて髪もおろされてました。」
「 あの人…黙ってればモテそうなのにな…」
縁下さんの言う通りだ。
雑誌の中の木兎さんはかっこいい。
ケド、実際の木兎さんはものすごく騒がしい。
赤葦さんはよくあの人の元にいれるのか不思議になるときがある。
まあ、何かしらの魅力があるからなんだろうケド。