第3章 夢の終わりと始まり。
1月終わり、高校が自由登校になってから蛍君はしょっちゅう私の家に泊まりに来る。
こんなにしょっちゅういいのかとは思うんだけど、蛍君のお母さん…美幸さんからは「夏乃ちゃんのところだったら安心ねー?」なんて信頼されてるから…まあよしとしよう。
私はお風呂から上がり、ちょうど編集部から借りてきていた旅行雑誌を見ていた。
ぱらぱらとページをめくると東京の観光地が写真で切り取られ、ページに収まっている。
あるページをめくったとき、私と入れ替わりにお風呂に入っていた蛍君が帰ってきたらしくおもむろに声を発した。
「ここ…中学の修学旅行以来行ったことない。」
『私もだ。いつか行ってみたいなって思ってたの!』
それは、東京と名前が付いているのに千葉にあるあのテーマパーク。
『たまには夢の国で夢に浸りたい。』
「僕と一緒にいれるのは夢みたいに幸せーとかじゃないんですか?」
蛍君はベッドに腰掛け私の髪の毛を撫でる。
『夢みたい…じゃないよ。
夢だったらいつか冷めちゃうじゃん?
ずっと一緒で幸せすぎるよ…』
恥ずかしくて枕に顔を埋めると、手から雑誌が取られる。
顔を上げ、蛍君がいたところを見ると…
あれ?いない。
代わりにスプリングがぎしりと跳ねる音がする。
「じゃあ現実でいっぱいかわいがってあげますよ?」
気づいたときには蛍君は上にいた。
ベッドに腹這いになった私の上に覆いかぶさる蛍君。
『私、そんなこと言って…』
するり
寝巻きとして着ていたTシャツの隙間から蛍君の手が進入する。
「やっぱりノーブラ…
あんまり油断しないでよ…」
私のお尻に蛍君はぐりぐりと『例のブツ』を当ててくる。
『今日はしないって…言った…のに……』
「僕をその気にさせた罰です。」
蛍君は私のTシャツをめくり、背骨があるであろう位置に舌を這わせた。
「今夜も…イタダキマス。」