【イケメン戦国】 色に出りけりわが恋は <R18>
第2章 ~告白~
佐助「多少時間はずれても、同じ時代に飛ばされてるという確信はあったんだ」
毎日、なおの姿を探した。四年間、忘れたことなど一度もなかった。
もう一度会って、そのことを謝りたい。
---いや、違う。それは建前だ。
ただ純粋に、もう一度会いたかった。
熱心にガイドブックを読み、上を見上げ、納得したように頷く仕草が可愛らしかった。
次に見かけたときは、また会えたという不思議な嬉しさが胸に湧いて、好奇心に満ちた表情で辺りを見て回る彼女を、つい目で追いかけていた。
地面が突然消えるように世界が歪んだ瞬間、この人を離してはいけないと、咄嗟に腕を伸ばした。
もう一度逢えたその時には、俺は彼女に何を言えばいのだろう。
“ごめんなさい”
“無事でよかった”
それとも
“会いたかった”
佐助「再会したあの夜、いざ君を目の前にしたら何も言えなくて。それっきり言いそびれていた。・・・いや、違うな。俺は逃げてたんだ。言って、君に嫌われてしまうのが怖くて」
佐助が顔を上げると、なおと目が合う。
なおの頬が赤いのは日焼けのせいだろうか。
白く柔らかななおの手を取り、そっと握る。
佐助「なおさん、俺は、タイムスリップしてからずっと君を探してた。 もう一度、君に会いたかったんだ」
初めて見た時から、きっと俺は君に惹かれていた。
佐助「こんな事に巻き込んで、ごめん」
佐助の手を握り返し、ふるふると首を横に振る。
「巻き込まれたなんて思ってないよ・・・。それに」
なおの瞳から涙がこぼれ、火照った頬を一筋濡らす。
「ここに来なければ、佐助君とこうして出会って、一緒に過ごすこともなかったんだもん」
決心したように唇を噛む。
「じゃあ、あの、もう一回やり直しても良いかな・・・」
涙をぬぐうと、
「佐助君、私は・・・」
佐助「好きだ」
なおの言葉を遮り、澄んだ眼差しで見据えると、
佐助「なおさんの事が、大好きだ」
なおの涙をそっと拭い、微笑んだ。