【イケメン戦国】 色に出りけりわが恋は <R18>
第2章 ~告白~
佐助「違うんだ、なおさん」
なおの襟を直して、正面に座り直す。
佐助「俺の話、聞いてくれる?」
「・・・」
今度は佐助が、真剣な目でなおを見据えた。
佐助「ずっと、話さなければと思ってた。話して、謝らないと・・・」
立ち上がると、書棚から一冊の本を取り出し、なおに手渡す。
「あれ・・・これ、何で佐助君の部屋に・・・」
確か自分の部屋、現代から持ってきた鞄に入れておいた、ガイドブック。
佐助「俺は研究の末、あの時間、本能寺の跡地にワームホールが出現すると予測し、あの場所にいた」
なおの膝の上のガイドブックに手を伸ばし、ぱらぱらとページをめくる。
佐助「待ちきれなくて朝早くに出かけたから、その時間になるまで、まず・・・」
地図を指さす。
「京都御苑・・・」
佐助「特に目的があったわけではないから、適当に歩いていただけ。でもそこで、ある人に出会った」
なおは俯いたまま、地図を見つめている。
佐助「女性の一人旅って珍しいな、と思ったんだ」
佐助の指が地図上を動く。
佐助「次はここ」
「・・・二条城・・・」
ゆっくりとなおが顔を上げる。
佐助「また見かけたんだ、その人を。それから、お昼は・・・」
「マックだった」
佐助「そう、俺は別に観光じゃなかったから、何でもよかったし」
最後に指差すところは、
佐助「その後本能寺の跡地に行った。 そこに、やっぱり君が立ってた」
なおが目を見開く。
佐助「そのイケメン武将トラベルガイドは俺のなんだ。同じものを読んで、同じルートで観光していた君と出会った」
ワームホールが出現するかもしれないと予測していた。
嵐になり、タイムスリップする可能性がある状況で、なおをその場から遠ざけるどころか、無意識に手を伸ばしてしまっていた。
落雷に驚き、怯えるなおに手を伸ばし、その体を引き寄せようと・・・
佐助「君がタイムスリップしてしまったのは、俺にも原因がある。本当にすまない」
頭を下げた。
「佐助君・・・」
なおは今どんな表情をしているだろうか。
佐助は顔を上げられないまま続ける。