【イケメン戦国】 色に出りけりわが恋は <R18>
第3章 ~紅唇~
佐助「ちょっと幸村に聞きたいことがあるんだけど」
幸村を廊下で捕まえ、ここではなんだから、と彼の部屋へと場所を移す。
幸村「なんだよ改まって」
佐助「友人でもある幸村に、相談に乗ってもらいたい」
真剣な眼差しで幸村を見つめる。
佐助「口づけしたい時は、どうやってそういう方向に持って行けばいいんだ」
幸村「ブッ!!!」
盛大にお茶を吹き出す。
幸村「おま・・・っ、何の話だよ!?」
袖で口を拭いながら佐助を睨む。
幸村「くだらねー。つーか俺に聞くんじゃねーよ!」
そういう事に詳しい男が他にいるだろうが。
佐助「一番聞きやすい相手だったから」
至極落ち着いた様子の佐助がお茶をすする。
幸村「お前、経験がないわけじゃないだろ?」
佐助「それが・・・何百年も前のことだったような、随分昔で、覚えてない」
幸村「なんだそれ」
はぁ、とため息を一つつき、湯呑を置く。
幸村「そんなもん、あれだ、勢いだ」
佐助「・・・」
そういう事じゃない、と無言で訴える。
そういう、勢いとかノリとか、そういうタイプではないのだ。少なくとも俺は。
ぼりぼりと照れくさそうに頭を掻き、幸村が続けた。
幸村「じっと見つめて、目があって、無言になったら何となくわかるだろ。いける!みたいな」
どこをどう観察すれば、「いける!」がわかるのだろうか。
幸村「とにかく目が合ったらそのつもりでいけ。多少強引でも構わねー」
佐助「へ~」
幸村「お前、聞いといて何だよその態度っ」
頬を少し染めた幸村が文句を言う。
佐助は勢いよく立ち上がると、
佐助「じゃあ早速試してくる」
さっさと幸村の部屋を出て行った。
幸村「何なんだあいつ・・・。いや、それより」
佐助、口づけするような女、いたのか?
いつの間に・・・
なんだか切なくなり、それを誤魔化すようにお茶を一気に飲み干した。