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【R18 ハイキュー!!】幼なじみ 及川徹との場合

第2章 幼なじみがコイビトに変わる時



高校1年の夏。

徹のファンの子たちに苛められて、さんざんな目にあった。

ただの幼なじみだって言ってるのに、下校途中にからまれた。

下駄箱にゴミを入れられたり。

カミソリが入った封筒が届いたり。

「及川君となれなれしくしないで」と警告されたり。

小学校の時からやっかまれたことはあった。

でも、こんなに酷いのは初めてだった。

私は徹には何も言わなかった。

ただ、徹と話す機会をなるべく作らないようにした。

徹を避けた。

『なんで避けるんだよ』

私の態度がおかしいことに気が付いた徹になじられて、

『徹のことが嫌いだから』

思ってもないことを言った。

徹はびっくりしたような顔をしていた。

まるで、絶対に味方だと思っていた相手に裏切られたような……

『徹みたいな女の子にヘラヘラしてる人、大嫌い』

うそ。

本当はずっと小さい頃から好きだったのに。

暫くして、徹は周囲の人から私が苛められていたことを聞いた。

そして、自分から離れていった。

これ以上、私が苛められないように。

『女って怖いね』

ヘラっと笑んだ徹の顔、今でも覚えてる。

寂しそうな、でもなんかホッとしたような。

それ以来、私と徹は幼馴染だけど、それ以上でも以下でもない、ただの同級生のような関係になった。

自然とじゃない。

努力して……

なるべく徹を見ないように、徹と前みたいに親しくならないように頑張った。

好きな気持ちを抑えた。

どうせ昔から、徹にとって私はただの幼なじみ。

個人的に嫌われていても、いい。

私が徹のことを嫌い……そう思われてるなら、そうでいい。

だって徹だって、私のこと女と思ってないんだから。

報われないなら、嫌われたい……

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