第4章 最後の言葉
ニノは、俺との関係を続ける間に、
共演した女優さんと、
週刊誌を賑わすことがあった。
『半同棲生活』
『お家デート』
各誌は、挙って書き立てた。
俺となら分かるけど、
正直、ニノの生活に、
そんな女優さんとの時間があるとは、
到底思えなかった。
でも、聞くのもなんだか変な気がして、
俺は、その話題に触れることが出来なかった。
だって、ニノの方からも、
何も言わないんだから....。
そんな、モヤモヤした気持ちを抱えながら、
ニノとは相変わらずの関係だった。
会いたい時に、
会って、繋がる。
正直、ニノのこと、
心で愛しているか、
と言ったら、それは、違う気がする。
だったら身体だけの関係か?と言ったら、
それも違う気がする。
今は、答えなんか出なくたっていいかな...
って。
時間が、
俺たちのたどり着くべき場所へ、
ちゃんと、
連れてってくれる.....
そんな気がする、
なんて...
きれい事、なのかな..?
心の中で、
勝手にそんな決着をつけて、
俺は、
今夜も、
ニノを抱いた。