第4章 想い
渉くんの大きな手で優しく髪の毛を触られて心地いい。ソファーに渉くんが座って、床に座る私は渉くんの足の間にいる。
ドライヤーが終わると渉くんにうしろから抱きしめられた。
『渉・・・くん?』
渉「しばらくここにいて・・・?」
『え・・・』
渉「俺ね、えみちゃんが傷つくとこ見たくないんだ。無理強いはできないけど、落ち着くまででいいから。守りたいんだよね。だから、ね?」
『・・・』
渉「こんなときに言うのずるいと思ってたけど、俺ね、えみちゃんのこと初めて会ったときから好きなの。だから俺が守りたい」
『あ・・・』
渉「返事は今言わないで!落ち着いてから考えてくれればいいから。ほら、なんか弱みにつけ込んだみたいで嫌じゃん」
渉「だからとりあえずはあの男の事!またなんかあると俺もつらい。だから、しばらくはここにいてください」
顔が赤くなるのが自分でも分かった。
渉くんに好きって言ってもらえて舞い上がりそうになる気持ちを必死で抑えた。
渉くんが真剣に考えてくれているのだから、修のことがちゃんと片付いてからきちんと自分の気持ちを伝えたかった。
本当は今すぐにでも伝えたかったけど、まずは修。
変なトラブルを抱えたまま渉くんの隣にいるわけにはいかない。仮にもアイドルである渉くんには絶対に迷惑を掛けたくない。
『渉くん・・・本当にいいの?ここにいても・・・』
渉「もちろん」
『私、ちゃんと解決する・・・!だからそのときはちゃんと私の気持ち伝えるから・・・。と、とりあえずしばらくお世話になりますっ!!』
渉「あーーーー!よかった!!これだけ言って拒否されたらどうしようかと思っちゃったw」
雰囲気を和ませようと大げさに笑う渉くんを見ると切なくなった。
優しくて、しっかりしていて、気配りのできる渉くん。不器用な一面もあるけど、とにかく一生懸命なその姿にきっとこれからも惹かれていくんだろうなと思った。