第4章 想い
修からの電話はその日の夜にまた掛かってきた。
出たくなかったけど、声なんて聞きたくなったけど、ちゃんとケリをつけようと思って電話に出た。
『・・・も、もしもし』
修「はぁー、やっと出た」
修「俺からの電話なのにどうして出ないの?
『・・・なに?』
修「・・・は?なにじゃねーだろ。その態度なめてんな。昨日の男もなんなんだよ」
『修には、関係ないじゃん・・・』
修「そんな言い方するんだ?あー寂しいなぁー」
『寂しいって・・・い、いまさらどうして・・・』
修「俺さ、やっぱえみじゃなきゃダメだなって気づいたんだよ。それなのにお前、何してんの?俺のことが1番じゃなかったわけ?すぐ他の男に目移りしやがって本当最低な女だな」
『そんな・・・』
修「お前はおれの言うこと聞いてればいいんだよ」
『も、もう・・・やめてく・・』
修「はぁ?聞こえない」
修「っつうかお前今家だよな?」
『え・・・』
まさかと思って窓のカーテンをそっと開ける。
道路に立ってこっちを見ている修がいた。
『っ・・・!』
修「お前のためにわざわざ来てやってんだよ」
修「分かってるよな、えみ」
スマホを持つ手が震えた。
もう逃げられない。また修の支配が始まるんだと思った。
ー渉くん・・・助けて・・・ー