第1章 はじまり
『いやっ・・・ちょっとほんとに困りますっ・・・!』
男1「なんでー?いいじゃんいいじゃん♪ちょっとだけさぁ!」
男2「変なこととかしないから!暇してるんでしょ?」
『やっ・・・用事あるんでっ!手離してくれませんか?!』
男1「えーじゃあせめて連絡先教えてよ!お姉さんかわいいから一目惚れしちゃった!」
『すいません。ほんと困りま・・・・』
?「行こ!!」
さっきまで私にしつこく言い寄ってきた2人とは違う男の人が、突然私の腕をつかんで歩き出す。
『えっ・・・と』
?「自分の連れなんでしつれいしまーす」
戸惑っている私をよそに彼は、男2人組にそう言葉を残すとすたすた歩き出す。
ーとりあえず・・・助かった?いや、でもこの人誰?知り合いだっけ?やばい思い出せない!!-
100メートルほど歩いただろうか。彼は何も話さず私の腕をつかんだまま歩いていく。
さすがに気まずくなって私から口を開く。
『あのっ・・・!』
?「・・・え?」
『あ、えっとどこまで・・・行くんですか?あと腕・・・』
?「あっごめんなさい」
彼は慌てて振り向き、パッと腕を話した。
その時初めて彼の顔を見た。
158センチの私からすると彼はなかなか背が高くて、細身ですらっとしていて、でもちらっと見えた八重歯がかわいい顔立ちの整った人だった。
ーえ?なんかどっかであったことあるような・・・?-
?「あっあの困ってたように見えたから・・・ナンパかなんかかなぁーって思って。すみません、ビックリしますよね。あっもしかして俺の勘違いだったり!?」
『あ、いやいや!違います!困ってたんです!すごい助かりました!!ありがとうございます!』
?「ほんと?!あーよかった!あっでもこんなとこまで引っ張ってきちゃってすみません。あんまりこういうこと慣れてなくて・・・なんかてんぱっちゃいましたw」
『ふふっ。ありがとうございます。本当に助かったんでそんなに謝らないでくださいよ』
『あの・・・ところで私の勘違いだったらごめんなさい。どこかでお会いしたことありませんか?』
そう自分で言って気づいた。
『・・・!!!!!?あっ!えっ!?』