第8章 葛藤
「ねぇねぇ、カラ松兄さん!」
夕飯を食べ終わって、みんなが別々の場所に移動してのんびりし始めた頃。僕はまず、居間でお茶を飲んでいるカラ松兄さんに声をかけた。
「ん?なんだ、十四松」
「あのねー、カラ松兄さんは鈴のこと好き?」
「ぶっ!?ごほっ、ごほっ!」
「?」
あれ、カラ松兄さんすんごい噎せてる!お茶まずかったのかな?
「大丈夫?カラ松兄さん」
「あ、ああ…というか十四松、今の質問は一体なんなんだ?」
「そのまんまだよ!」
「…えーと…」
カラ松兄さんは困った顔で僕を見つめてくる。そんなに難しい質問だったのかなー。
「ちなみに僕は大好きだよ!兄さんは?」
「!…そういう意味か」
僕の言葉に、カラ松兄さんは納得したように頷く。
「もちろん、俺も大切な友人だと思っている。十四松風に言うのなら、¨大好き¨だな」
「じゃあ僕と一緒だね!よかったー!」
「?よかったって、何がだ?」
カラ松兄さんは首を傾げていたけど、無視して次のターゲットのところに向かう。えっとー、確か台所に…
「いた!チョロ松兄さん!」
「は?」
服のアイロンがけをしている母さんの代わりに、食器洗いを手伝っているチョロ松兄さんが次のターゲット!
僕に気付いたチョロ松兄さんは、一旦手を止めてくれた。チャンスとうらい!
「どうしたの、十四松。俺になんか用?」
「質問があるでござる!」
「いやなにその口調」
「チョロ松兄さんは、鈴のこと大好き?」
「………」
兄さん固まっちゃった。と思ったら、どんどん顔が真っ赤に…
「じゅっ、じゅじゅじゅ、じゅ〜…っ!!?」
「じゅー?」
「な、なな、何聞いてんのお前っ?!好きなわけないじゃん!え、あの子おそ松兄さんの彼女だって、お前知ってるはずだよね?分かっててんなこと聞いてんの?わざとなの?!」
あはー、チョロ松兄さんすっごい真っ赤。汗だらだらだー。さっきのカラ松兄さんもそうだったけど、なんでそんなに驚くんだろう?聞き方がおかしいのかな。じゃあもっとシンプルにいこー!
「好きー?嫌いー?」
「会話の!キャッチボール!せめてそこ成り立たせて!?」
「○ー?×ー?」
「十四松ぅぅぅーーーっ!?」