第9章 猫王子といじめ
赤司side
「『失礼しました』」
『いやぁ良かったねぇ!!会議資料のホッチキス止めだけで済んで』
「僕の交渉のおかげだろう。僕がいなかったら今頃お前は問題集1冊やらされてたぞ」
『まじ赤司様王子様天使様。ま、持ちつ持たれつってヤツだよ、赤司君』
「僕が持ってもらったことは一度も無いと思うが」
と2人、もはや広辞苑が6冊分並の資料を台車に押して教室へ向かう。これを全てホッチキスで止めたら仕事完了だ。そして教室へ着くと、真ん中の席に2人で向かい合って座る。
『うしっ!さっさと部活行きたいし、ハイスピードで終わらせようか!』
「僕はそのつもりだよ」
パラパラ…パチン。暫くこの音のみが教室を支配する。
『あ、あの赤司…』
「何だ」
『何か喋ろうよ!!!キツイ!居心地悪い!気を使う!あたし沈黙苦手なんだけど!!!』
「…そうだね。なら数学の時の話の続きをしようか。どうして黙ってた」
『…チッ、またその話かよ。言う必要が無かったから。以上』
「そんな答えでこの僕が納得するとでも?」
『絶対しねーな。けどあたしも言うつもりはなかった。これ以上何も言う事はない。つーか赤司こそ大丈夫なの?生活困るでしょ?』
「…僕の事なら問題はない。モノが無くなって困るが買えば済む。写真については不愉快極まりないが、中学時代もあったから慣れている」
『さらっと嫌味言うのやめてくんない。金持ち自慢か、モテ自慢かコノヤロー。けどストーカーから殺人に発展したりするから気を付けなよ?って、赤司はそれは大丈夫か。むしろ逆に殺しそうな眼してるし』
「こそいじめを侮るな。エスカレートしてしまうとそれこそ殺される。それに被害者は精神的に大きなダメージを与えられ自殺なんて事もある。…だがなら大丈夫か。漬物石のような心だからな」
ムカついたと思われるが僕の足を踏もうと試みたが、見事にそれはかわしてやった。そんなんで僕に勝てると思ったか、バカめ。