第7章 猫王子と喧嘩
赤司side
IH予選も終わり、バレー部とバスケ部は入れ違いになっていたため、久しぶりにを見た。だけど顔を見たわけじゃない。教室に着いた途端、机に突っ伏した。
「、先生がもうすぐ来るぞ」
『…うん、分かってる』
僕達の会話はそこで終了した。彼女のいつも無駄に元気な姿は見られなかった。川崎から聞けば、バレー部は決勝戦で負けたという。多分それが原因だろう。
そして昼休みまで、はずっと机の上に体を預け、半日の間空を見続けていた。
奈央「よっしゃ!ご飯や!、食べようや」
『あ、うん…奈央食べていいよ。あたしはいらないから』
奈央「…げ、元気出しぃや!!!悔しいのは分かるんやけど、がいつもみたくうるさないと調子出ぇへんのや!ほら!」
『ごめん、今はそういう気分じゃない』
奈央「あ、すまん…せやけどご飯は食べよ!な!?赤司君も、何とか言うてあげて!」
川崎に言われ、もう一度を見る。隈が出来ている。多分寝てないんだろう。これでご飯まで抜いてしまったら倒れてしまう。
「、川崎の言う通りだ。ご飯だけはしっかり食べろ」
『お腹空いてないから』
「そういう問題じゃない。いいから食べろ」
『いらない』
いくら勧めても食事をする気配はない。それどころか多分、弁当も持ってきてないだろう。
「はぁ…お前がそうなったのは負けたのが原因か?」
『…』
「人の部活にまで口を出すつもりはないが…今のお前をそのままにしてはおけない。はっきり言おう。負けたのはが弱かったからだ」
『…は?』
奈央「あ、赤司君?何もそこまで言うのは…」
「だってそうだろう。弱ければ負けない。もしくは…先輩が弱かったのかもしれないな」
『…今なんて言った』
「この世は勝利が全てだ。勝者は全てが肯定され、敗者は全て否定される」
負けてしまえば、そこで終わりだ。