第4章 猫王子と球技大会
赤司side
ギャーギャーと騒いでいる奴がいると思えば、やっぱりそれはだった。川崎と2人の世界に入っているのか、周りの視線を集めていることに気付いてなかった。僕はボールをに向かって投げた。一瞬何が起きたか分からない表情でキョロキョロした姿が面白かったが、何事もないふりをするために笑うのを我慢した。すると犯人は僕だと気づいたらしく、こちらに向かって歩いてきた。
『あぁぁかぁぁぁしぃぃぃぃぃ!!!その綺麗な顔についてる口は飾りか!?偽物か!?』
「何を言っている。飾りや偽物がこうやって言葉を発する事はないだろう」
『そうだよ!だから言ってんだよ!その口を使って優しく呼べやぁぁぁ!』
「別に呼んだ覚えはないよ。ただ静かにしろと伝えたかっただけだ」
『あ、そうなんだ。…じゃねぇよ!それこそ口で伝えろぉぉぉぉぉ!』
玲央「ま、まあまあ落ち着いて。征ちゃんも、女の子に暴力はダメでしょ?」
隣で一緒に得点係をしていた玲央が見かねて入ってくる。その間に川崎も戻って来た。
奈央「あ、玲央先輩。お疲れ様でs」
『ブフーッ!あはははは、ちょ、何王子!征ちゃんって呼ばれてんの!?何それ可愛い!王子、征ちゃんってキャラじゃない!あははは!お腹痛いんだkふがっ!』
「うるさいと言ったのをもう忘れたかこの駄犬。これ以上ボールをぶつけられたくなければ黙れ」
『あはははっ!無理!笑い止まらないもん!』
玲央「…あたし、何かまずい事言っちゃったかしら?」
奈央「いいえ、先輩は何もしてませんよ。この2人はいつもこうやから」
暫く笑っていたに対し、僕ももう注意するのに疲れたから放っておいた。すると試合が終わる。
「おい駄犬。次はお前達の番だ。早く行け」
『あー笑った。はいよ!やっと出番だ!行くぜ奈央!あたし達の特訓の成果を見せる時は、今!出陣じゃぁぁぁぁ!』
奈央「ほんなら赤司君、玲央先輩。また」
『奈央ちゃん、そこはおぉぉぉぉ!って言ってくれなきゃ!あたし今1人で叫んでたからね!ほらテイク2!出陣じゃぁぁぁぁぁ!…奈央ぉぉぉぉぉ!』
が去った後は、まるで嵐が去った後のように静かになった。