第22章 猫王子と犬平民
しかし、変わったからと言って全てがなくなるわけではない。
『ほんと、いくつになっても征十郎は猫被るよな。家の中じゃ甘えてくるのnいいえ何でもありません!ほんの冗談です!』
「クスッ…だって犬そのものじゃないか。実に飼い主に忠実だよ」
全てが無かったことになるなんて事はない。
「、大好きだよ」
『…あたしも大好きだよ、征十郎。悔しいけどな!!!』
猫王子と犬平民のスマートフォンには、それぞれ交換した当初のまま、"猫王子"と"犬平民"で登録してある。
この関係は変わらない。
いや、変えなくてもいい。
『ほら、行くよ。マジで遅刻すっからな、あたし』
「分かってるさ。走るからね」
あたしはこれからも征十郎の隣で、犬のように着いて歩くだろう。
征十郎はあの我が儘で、隣を歩いているあたしを振り回すだろう。
それくらいで、あたし達はちょうどいい。
~END~