第22章 猫王子と犬平民
『征十郎!やばい、完全遅刻する!』
人生は何が起こるか分からないとは、よく言ったものだと思う。
「がテレビを見ながら朝食をとるからだろう。僕はもう準備は出来ているよ」
出会いは最悪だったはずだ。猫王子と呼び、犬平民と呼ばれる。犬はまだいいとして、平民って何だ、平民って。
『征十郎が起こしてくれなかったからだろうが!あーもう本当にやばい!あの教授遅刻にはうるさいのに!!!!』
それでも、あたしは確かに猫王子と出会った。
「おせーぞ」
「迎えに来たよ、ちゃん!」
「僕達は講義ないですからバスケしていきます」
『だったら何で迎えに来てんだよ!!!あぁぁ!もうそんな事言ってる余裕もねーよ!』
「いっつもじゃん、ちんは」
「ほんと変わらないッスねぇ。赤司っちも大変ッスわ」
「僕がいるからは単位が足りてるんだよ」
『うっせーよ征十郎!』
猫王子のおかげで、たくさんの友達に会えた。