第19章 猫王子と誕生日
赤司side
玲央「征ちゃん、誕生日おめでとう」
小太郎「あーかし!ほい、これ俺らからのプレゼント!」
永吉「皆で買ったやつだから1つしかねぇけどよ!」
「…そうか、今日僕は誕生日か。ありがとう」
玲央「やだ、征ちゃんったら自分の誕生日忘れてたの?」
「WC前だからね、それどころじゃなかったんだ」
小太郎「そうだよなー。もう3日後だもんなー」
小太郎の言う通り、WCは3日後から始まる。浮かれている暇は無かった。
奈央「赤司君、誕生日おめでとう!コレ、マネージャー全員で作ったんやけど、甘い物苦手って聞いてたからクッキーにしてん!お口に合ったらええんやけど…」
「ありがとう。昼ご飯と一緒にいただくよ」
それからも部員から祝福の言葉を、中にはプレゼントももらった。朝練を終え、着替え、スマートフォンを開くと、キセキの世代の皆からも誕生日の祝福メールが届いていた。
もう全員がWC出場を決めており、敵だというのに律儀な奴rらだ。だが、嫌いじゃない。と思いながら、ゆっくりと教室へ向かう。
…は祝ってくれるのだろうか。
教室に着くと、一瞬思考が停止した。
女子「誕生日おめでとう、!!!」
男子「おめでとさん、!これ俺からのプレゼントや!」
『ありがとーありがとー!15歳は本日、12月20日をもって無事、無事に16歳を迎えました!!!』
…ちょっと待て。何かがおかしい。
『あり?赤司じゃん!あたし今日誕生日なんだー!だからさ、プレゼント寄越せよ。って奈央、何で笑ってんの』
奈央「ぷくくっ…な、なんもないで!」
『変な奈央。で、何かちょーだいよ赤司』
「川崎…どうして言わなかった」
奈央「ウチがいらん事するもんやないって思ってな?それに、好きな人の誕生日くらい知ってても可笑しない思て言わへんかってんけど…」
『何なにー?何の話ー?』
「…、誕生日おめでとう」
『おう!サンキュー!って、何この手。むしろ逆じゃね?あたしがもらう方だから、この差し出された手には何も乗せなくていいよな?』
「…今日、12月20日は僕も誕生日だ」
『…』
「…」
『…まじでか』
全く、ここまでくれば本当に運命だと言いたくなるよ。